音楽療法について
効果
『 音楽療法とは、音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の回復、機能の維持、改善、生活の質の向上、行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること』(日本音楽療法学会の定義)
音楽療法では、『歌唱や楽器活動で音楽を楽しむこと(直接的音楽活動)』 はもちろん、『他者に注目したり、言われたことを受け止めたり、仲間に相談する社会的行動(音楽以外の行動)』を促し、日常生活における適応性を高めることを目指します。 対象者が、音楽を通して楽しみながら感情を表し、集中力・注意力を深めていき、『今、できること』を活かし、それを少しずつ拡大していきます。 音楽療法とは、音楽療法士が対象者と向き合い、苦しみを理解し味わいながら、ともに成長する『機会』であり『場』なのです。
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社会的効果
- 他者との交流を促す
- 集団へ参加を促す
- 場の空気を読み取る
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心理的効果
- 感情を引き出す
- モチベーションの向上
- リラクゼーション
- 気分の転換
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生理的効果
- 脳の血流を促進
- 呼吸/脈拍/血圧の変化
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認知的効果
- 意識の改善
- 注意を促す
- 記憶・想起を促す
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身体的効果
- 筋の弛緩・緊張
- 身体が動きやすくなる
- 表情や言葉が出やすい
- 発話リズム・声量の改善
レベルに合わせたグループセッションも
あかねミュージックセラピーでは、個人セッションを軸に目標や保護者の方のご要望によって、グループセッションも実施しています。また、グループセッションのみの参加も可能です。
同じようなレベルのお子様と一緒にできるようコーディネイトしますので、セッションについていけない等の不安はありません。
グループセッションを取り入れた例:
月2回セッションのうち、1回目を個人セッションに、2回目は日程を合わせ、グループセッションに。目標設定 (長期目標と短期目標)
音楽療法ではお子様の日常の様子や保護者の方のご要望に沿ってひとりひとりの長期目標(1年程度)と短期目標(1~3か月程度)を設定します。現時点の『できていること』を活かし、それを少しずつ拡大していく過程で、短期目標は都度見直しを行い、最終的に長期目標が達成できるように計ります。
個別支援計画書で目標設定があるお子様の場合は、それを理解した上でセッションの目標を設定しますので、アセスメント時にご相談ください。
○例:自閉症児の場合
- 短期目標の例
- ・音楽により外界の刺激を快の刺激として受け止める。
- ・音楽を介したコミュニケーションを図る。
- ・触覚ー視覚ー聴覚ー運動など各感覚を統合し組織化する。
- 長期目標の例
- ・健康的な情動発散
- ・声・楽器・身体運動を通した自己像の形成
- ・表現力の拡大
○例:ダウン症児の場合
- 短期目標の例
- ・音楽を介して身体運動を促進させ、身体運動を向上させる。
- ・手指の巧緻性や両手の協応など運動を向上させる。
- ・歌唱や吹く楽器を通して、呼吸を意識化し口腔感覚を統合することで構音を明確化する。
- 長期目標の例
- ・アンサンブル等により協調性を高める。
- ・自己選択や自己表現力を高める。
対象者
子どもから高齢者へ
ひとりひとりに合わせた音楽療法を
障害を抱えた子どもはもちろん、情緒不安や発達の遅れが気になる子どもひとりひとりに合わせた音楽プログラムで個人セッションを行います。
また、高齢者施設や学校、地域の児童発達支援センター、療育施設への出張も可能です。
対象者
- 発達に不安を感じる幼児・児童
- 発達障害児・者(自閉症など)、身体障害児・者、知的障害児・者
- 精神科(統合失語症、うつ など)
- 高齢者(認知症など)
- 慢性疾患、各科領域(ICU,透析など)
- 終末期医療、緩和ケア