ごあいさつ
あかねミュージックセラピー(音楽療法コース)の開設にあたり
震災と音楽療法
音楽療法士の存在を知ったのは、阪神・淡路大震災後のことでした。
震災当時、神戸の高校へ通っており、学校は半壊になり、急きょ、学校の運動場に仮設校舎が建ちました。冷暖房器具は設置されていたものの、仮設校舎での約二年間の高校生活は辛いものがありました。しかし、その時に思いました。
仮設住宅で生活している人々は、もっとストレスが溜まるだろうな・・・と。
その後、兵庫県では音楽療法士の養成が開設されるようになり、東日本大震災の時には兵庫県から音楽療法士の方々が被災地へ訪れ、ボランティアで音楽療法を行ったそうです。
私に何かできるとしたら、やはり・・「音楽」。
でも、今の自分には何ができるだろう?
母と日野原先生に押されて
いざ、役に立とうと思ったら、資格と知識は必要。
そこで私は、「音楽療法士になりたい」と思いました。
思い立ったら吉日の私と、その横ですぐにパソコンで「音楽療法士」について、調べる母がいました。
学ぶことは、一年でも一日でも早い方がいい!と、母の一言に背中を押され、
子どもの多様な発達に関する領域を始め、障害児・者、高齢者、リハビリテーション、精神科領域、緩和ケア等が学ぶことのできる日本音楽療法学会の認定制度で学ぶことになりました。
また、以前から尊敬していた日野原重明先生が理事長であることを知り、こちらで学びたい!という気持ちに拍車がかかりました。
こどもたちに笑顔でいてほしい
私を最も、つき動かす原動力は「子どもたちの笑顔」です。
あかね音楽教室で子どもたちと密度の濃い関係を築いているので、日々の悩みや進路についての相談など、何気ないやり取りの中から子どもの本心と向かい合う機会がとても多いです。
同様に、保護者の方々からの相談も多く寄せられます。
そのような中、「この子たちが日々、こんなに様々な悩みを抱えている中で、
障害を持つ子どもたちはもっともっと息苦しいのではないだろうか・・」と、考えるようになりました。
このような2つのきっかけから、私は音楽療法を学び、音楽療法士としての活動を始めました。
さらに子どもたちと向き合うために
そして、姫路市内の公立小学校特別支援学級での音楽療法授業が始まりました。
小学校では、担任の先生を中心とした先生方との連携で、子どもたちの成長を実感し、また、セラピストの私と児童との関係が深まっていくと同時に、担任の先生と児童との関係が深まっていく光景を嬉しく思いました。その中で、「障害を持つ子どもたちの成長するお手伝いがしたい」
「日々、子どものために何から始めら良いか分からず、不安な気持ちを抱える保護者の方への応援がしたい」と考えるようになりました。
このような思いから、あかねミュージックセラピーを開設する運びとなりました。
「障害者」に対して、社会の理解がまだまだ足りないと感じております。
保護者だけでなく、障害者に関わる人々や地域の人々にも、障害への理解を深めて戴きたいです。
今後は、音楽療法の素晴らしさや障害をもつ人々に対しての理解の輪が広がっていくように、講演会を通じて伝えていきたいと考えております。
また、保護者の方々が、お子様の最良の理解者であるために、学びの場や知識の共有の場を提供していきたいです。
あかねミュージックセラピー講師 髙橋 茜
- あかね音楽教室主宰
- 日本音楽療法学会認定
音楽療法士 - 日本音楽指導者協会会員
- ローランド・
ミュージック・スクール講師